福井県小浜市中名田地区で、奈良漬の試作品作りが昨年夏から進められている。同地区では地元の酒米と水を生かした地酒を造っており、今年からはこの地酒の酒かすを使った奈良漬作りにも挑戦する。奈良漬は地酒の会員に贈るほか、将来的に販売も視野に入れている。
同地区は2012年から地域活性化に生かそうと、本格的に酒造りに取り組んでいる。地区を流れる田村川の上流から取水し、地区内で栽培した酒米を使い、昨年初めて地酒「田村のめぐみ」を完成させた。
酒造りの過程で発生する酒かすを有効利用するのが目的。奈良漬に使うウリは地区内の畑で栽培した。
奈良漬作りは地区の食生活改善推進員が担当している。昨年冬に搾った酒かすはすでになく、市販の酒かすを使い、昨年夏から試験的に漬け始めた。
塩分量を調整し、辛口から甘口まで3種類を作り、地区住民の集まりで、奈良漬を試食してもらった。メンバーの野勢惠子さん(73)=深野=は「ご飯にもお酒にも合う味に仕上がっている。地酒の酒かすを使った奈良漬作りが楽しみ」と話している。