ホームでW7系新型車両をカメラに収める見学者ら=北陸新幹線富山駅

ホームでW7系新型車両をカメラに収める見学者ら=北陸新幹線富山駅

富山県 富山・八尾 北陸新幹線

和の空間に風情 富山駅見学会に1300人

北日本新聞(2015年2月2日)

 3月14日に開業する北陸新幹線の富山駅で1日、一般向けの見学会が初めて行われた。伝統の八尾和紙を使った柱や、立山連峰のシルエットをあしらったガラスなど、富山らしさが光る駅舎内を約1300人の県民が見て回った。試験運転中の新型車両W7系が登場する想定外の場面に沸いた参加者は、開業への期待に胸を膨らませた。

 JR富山駅南口前には先着順の整理券を求める人で早朝から列ができ、午前9時半からの配布時間は急きょ1時間繰り上げられた。

■1階
 改札を通ってコンコースに向かうと、和の風情が漂う空間が広がる。高さ7メートルの天井は中2階までの吹き抜け式だ。北前船で栄えた富山市岩瀬地区の町並みをイメージした格子戸は、県産のスギでできている。国指定の伝統的工芸品の一つ、八尾和紙をガラスに取り入れた柱は繊細な模様が美しい。トイレの壁も八尾和紙が使われている。

 富山市越前町の大田伸子さん(52)は「すごく広いし、明るい。富山の伝統の良さが感じられるので観光客の宣伝にもなりそう」と笑った。

■2階
 階段を上がって正面に見えるのは、駅からの立山連峰のシルエットを表現したガラスの壁だ。LED(発光ダイオード)ライトで照らされ、名峰が幻想的に浮かび上がる。北側の改札を抜けると、在来線駅への乗り換え用通路へと続く。

 金沢駅の見学会にも参加したという富山市新庄町の高校2年生、高江俊一朗さん(17)は「富山駅の方がシンプルでおしゃれな印象。ガラスに表れる立山の形もきれいで、富山のイメージアップにつながる」と感激していた。

■ホーム階
 冬の立山杉を模した真っ白な柱が立ち並ぶ。在来線ホームとを隔てるのは柱のみで、開放的なつくりとなっている。乗り場と線路の間には転落防止用の可動柵が設けられ、安全対策も万全だ。富山市千石町の主婦、石田久美子さん(67)は「全体的に明るく、駅を訪れただけで都会に来たよう」と興奮気味に話した。

 見学会の最中には、W7系がホームに入ってくる「サプライズ」もあり、参加者は歓声を上げながらしきりにカメラのシャッターを切っていた。両親と訪れた富山市奥田小学校4年の増山博天(ひろたか)君(10)は「新しくて最高。早く新幹線に乗りたい」とはしゃいでいた。

 見学会は整理券の配布後すぐに定員に達する人気ぶりだった。企画した県と富山市、JR西日本金沢支社は定員を300人増やすなど対応に追われた。

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