薬味などに使うニンニクの球根を育てて茎と葉を食用にする「葉ニンニク」の収穫が、富山市南部のビニールハウスで最盛期を迎えている。JAあおば(同市八尾町福島、杉林啓一組合長)が特産化を目指し、昨年から栽培を進めている。病害虫の心配が少なく栽培が難しくないことから生産者が増え、ことしは増産を目指す。
ニンニクはネギ科の植物で、球根が薬味に使われる。「葉ニンニク」は球根から伸びた若い茎と葉を指す。根元の白い部分はネギの辛みとニンニクの香りがあり、葉は柔らかくほんのりとニンニクの風味を持つ。
昨年は生産者約10人が栽培し、ハウスと路地で栽培した計約15キロを出荷。ことしは富山市八尾、婦中、大沢野、大山の各地域で計29人が栽培を担い、約35アールで昨年の5倍となる約75キロの出荷を目指す。
同市八尾町高熊のビニールハウスでは、無農薬で50~60センチに育てた葉ニンニクを1月下旬から収穫。根と外側の葉を落とし、長さをそろえて出荷している。
生産者の熊本耕平さん(27)は「野菜炒めや鍋の具材にするとおいしい。多くの人が手に取ってくれればうれしい」と期待する。
葉ニンニクはJAあおばの直売所などで150グラム200円で販売。3月下旬まではハウス栽培の品が並び、4~6月には路地栽培の品が並ぶ。