花が開き始めたツルギオリトキクザクラを見守る(右から)武田さん、山口館長=西田美術館

花が開き始めたツルギオリトキクザクラを見守る(右から)武田さん、山口館長=西田美術館

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新種のサクラ、近く満開 上市・西田美術館

北日本新聞(2015年4月27日)

 2008年に上市町折戸で発見された新品種のサクラ「ツルギオリトキクザクラ」が、移植先の同町郷柿沢の西田美術館前庭で順調に成長し、近く満開となる。折戸の木は昨年12月、風の影響で倒れ、補強作業が行われた今も状態が危ぶまれている。木を見つけ、採取しておいた枝を同美術館の協力で育ててきた武田宏さん(75)=同町田島野=は「今後も保護に貢献したい」と話している。

 ツルギオリトキクザクラは馬場島に向かう県道沿いの標高400メートルの山中にあり、愛好者でつくる「とやまさくら守の会」副会長の武田さんが08年に見つけた。花の中心部が淡紅色で、200~250枚の花びらが手まりのような形に咲くのが特徴だ。

 樹齢100年を既に超え、幹に多くのキノコが付いていたほか、地盤も不安定で当時から状態は良くなかった。幹の途中から出ている枝に根が付いており、武田さんはうち6本を自宅で育てた。

 多くの人に見てもらおうと一昨年、6本のうち2本を西田美術館の協力で同館前庭に移植。今年は、初めて咲いた昨年以上に多くの花がついており、同館の山口松蔵館長は「一般のサクラよりも遅く咲く珍しさから問い合わせもある」と言う。

 折戸の木は昨年12月上旬、強風のため倒れ、県道をふさいだことなどから、枝分かれした複数の幹が切られた。町は木を再び起こし、根元の土を入れ替えるなどの補強を行った。例年なら5月上旬に満開となるが、今年花を咲かせるかは不明という。

 同館の2本は、30日前後に満開となる見込み。武田さんは「貴重なサクラが順調に育ち良かった」とほっとしている。

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