企画展「発掘された日本列島2015」が1日、富山市茶屋町の県埋蔵文化財センターで開幕した。土器や埴輪(はにわ)、装飾品など、同市呉羽町北の小竹(おだけ)貝塚を含む全国28遺跡の出土品約570点を展示し、最新の発掘成果を伝える。国宝・重要文化財クラスの史料がそろい、訪れた考古学ファンは熱心に見入っていた。9月6日まで。
発掘調査への理解を深めてもらおうと、文化庁が1995年に始めた巡回展で、県内では2005年以来、10年ぶりの開催となる。会場には、小竹貝塚で見つかったイノシシの形をした国内最古級の土製品や、けや木の平団地遺跡(岩手県滝沢市)の人体文付深鉢(じんたいもんつきふかばち)など、近年の発掘で見つかった出土品が並ぶ。
富山県内では、人の形をした埴輪が見つかっていないこともあり、会場中央に並べられた人型埴輪のコーナーには人だかりができた。甲塚古墳(栃木県下野市)から国内で初めて出土した機織(はたおり)の形をした埴輪も注目を集めた。富山大人文学部1年の大上立朗さん(18)=富山市五福=は「埴輪といえば人の形をしていると思っていただけに、機織の形に驚いた」と話した。
開会式では、川腰県教育次長、北日本新聞社事業局長があいさつし、安念県埋蔵文化財センター所長、西井龍儀県文化財保護審議会長らが加わりテープカット。文化庁の森先一貴文部科学技官が展示品を解説した。
県埋蔵文化財センター、文化庁、北日本新聞社主催。開場時間は、午前9時~午後5時(金曜は午後7時まで延長)。入場無料で会期中は無休。問い合わせは同センター、電話076(434)2814。