県立近代美術館で開催中の「戦後70年 無言館展 画布に遺(のこ)した青春」はお盆休みで古里に帰省した人たちが続々と足を運び、にぎわっている。13日は急きょギャラリートークが行われ、来場者は戦場で夢半ばに倒れた芸術家の卵たちに思いをはせた。
同展は、長野県上田市にある私設美術館の無言館が収集した戦没画学生らの遺作155点と手紙や画材などの遺品約300点を展示する。ギャラリートークでは、丸山多美子学芸員が無言館が設立された経緯や、作品の背景などを説明した。
富山市内にある母方の実家でお盆休みを過ごしている大阪府枚方市の東香里中学校2年、村井勇紀君(13)は「原爆ドームと同じ意味を持つ美術展。若い世代が戦争の悲惨さを伝えないといけないと感じた」と話した。
高岡市木津の会社員、本江良信さん(47)は「才能の片りんを感じるが、まだまだ発展途上の作品が並んでいる。戦争で命を失ったのは本当にもったいない」と作品に見入っていた。
同展は9月3日まで。