富山市岩瀬地区の土場(どば)町が所有する山車が、ことしで完成から100年を迎えた。山車の巡行は5月17、18日に開催される「岩瀬曳山車(ひきやま)祭」でしか行わないが、ことしは節目を祝い、今月27日に開かれる諏訪神社(岩瀬白山町)の秋季祭礼に合わせて土場町の山車1基を巡行させる。
土場町の山車は、大正天皇の即位を祝い、1915年に製作された。山車が豪快にぶつかり合う「曳(ひ)き合い」で傷むが、修理を重ねて大切に継承してきた。
山車の引き手不足の影響で、2011年からは御蔵(おくら)町と合同で「財(たから)町」として岩瀬曳山車祭に参加。山車は1年ごとに交互に使用している。
山車の上に載せるたてもんには、時事などを題材に各町が趣向を凝らした「判じ絵」が描かれる。財町はことし、土場町の100周年にちなみ、大正期の判じ絵を再現。桜や朝日、花札など華やかなデザインに「祝百年 旭日に匂う桜花」の文言が入る。
27日は午後1時から同4時まで、土場、御蔵町の両町内で曳き回しを行う。財町曳山車保存会長の保田泰正さん(65)は「これからも町全体で協力し山車を保存していきたい」と話している。