鹿ノ俣ロッジのジンギスカンをおいしそうに頬張るスキーヤー=胎内市熱田坂

鹿ノ俣ロッジのジンギスカンをおいしそうに頬張るスキーヤー=胎内市熱田坂

新潟県 村上・胎内 グルメ

ジンギスカンは胎内名物 スキー場・食堂 独自のたれ人気後押し

新潟日報(2016年2月22日)

 胎内市でジンギスカンが隠れた「ソウルフード」になっている。安くておいしく、ボリュームもたっぷり。胎内スキー場のロッジで、街中の食堂で、熱々の焼きたてが人気を集める。商工会青年部も地元の味をアピールしようと意気込んでいる。

 胎内スキー場(胎内市熱田坂)の裏側に位置する「鹿ノ俣ロッジ」。スキー客に交じって一般の家族連れも大勢詰め掛ける。お目当てはジンギスカン(1人前税込み1200円)だ。肉と野菜がセットになっていて、鉄板で焼いて食べる。スキー場としては珍しいスタイルだ。

 週末には注文が100食以上舞い込む人気メニューだ。オーストラリア産の羊肉を使用し、肉質は柔らかく、くせも少ない。カレーやラーメンなどの中にあって、手頃な価格なのも人気の秘密だ。

 かつてはスキー場正面側にある胎内ロッジの脇にもジンギスカン専用の食堂があったという。

 煙やにおいの問題もあって1991年にロッジをリニューアルした際にやめたが、スキー場の坂上誠支配人(59)は「スキー客はもちろん、多くの人に味わってもらいたい」と、胎内ロッジでの"復活"提供も検討する。

 胎内スキー場でなぜジンギスカンが定着したのか。64年のスキー場開設に当たって、旧黒川村の故伊藤孝二郎村長が北海道を視察し、「疲労回復に最適で、本場北海道の味も楽しめる」と提案したのが始まりだった。それから半世紀以上続く定番メニューになった。

 「たれ」も人気を後押しする。スキー場で13年前からたれ作りを担当する近藤広之さん(59)は「肉の質に合わせて改良を加え、みそを主体に約15種類の食材をブレンドしている」と胸を張る。

 食事を楽しんでいた新潟市中央区の飲食店員涌田一樹さん(37)は「ジンギスカンを食べるためにスキー場に来ているようなもの。ついつい通ってしまう」と語る。

 胎内の街中でもジンギスカンの人気は不動だ。JR中条駅にほど近い西栄町の「志ま津食堂」。58年の開店で、煙でいぶされた店内が時代を感じさせる。ジンギスカンは店の看板メニューで、スキー場よりも前から出している。1人前500円(税別)の定価は数十年前から変わらない。

 店主の嶋津美恵子さん(83)は「お客さんが気軽におなかいっぱいになれば」と低価格の理由を語る。

 たれは赤みそをメーンに約10種類の調味料をブレンドする。肉はたれにあえてあり、焼いた後に生卵を付ける独特の食べ方だ。

 開店当初、周辺にも焼き肉店はあったが、羊の肉は珍しかったといい、嶋津さんは「皆さんに食べてもらいたかった」と当時を振り返る。嶋津さんの明るい人柄や、昔から変わらぬ味を求めて市内外から多くのファンが通う。

 地元の味をアピールしようと、胎内市商工会青年部は2012年からご当地グルメの「胎内焼き」に志ま津食堂の羊肉も使用する。胎内焼きは直径約10センチの大判焼きの形をしたお好み焼き。米粉を使った生地にミンチにした肉を混ぜて焼くもので、市内外のイベントで好評だ。

 青年部の緒形剛さん(40)は「焼き肉といえばジンギスカンというくらい地元に定着している。お店でも楽しんでもらいたい」と話す。街の活性化につなげようと意気込んでいる。

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