ソニーを創業し世界的な企業に育てた故盛田昭夫さんの蔵書５０９冊が遺族から富山市図書館に寄贈された。同館は１６日から「盛田昭夫文庫」として同市西町の本館で公開し、全て貸し出しできるようにする。蔵書には本人による書き込みや付箋もあり、名経営者の知的な営みを伝える。

　蔵書は、盛田さんがソニー会長時代に会長室に置いていた。経済や経営、日米関係、自然科学、デザイン、幼児教育と分野は幅広い。一部ページの大切な箇所には、鉛筆で傍線を引いたり、内容について辛口の批評を書き残したりしている。

　新しくなったＴＯＹＡＭＡキラリ内にある本館に関心を持った盛田さんの長女、岡田直子さんが今年８月、同館に蔵書を役立ててほしいと申し出た。

　同館は、本館５階のビジネス関係のフロアに文庫を設け、パネル展示とともに紹介する。清水孝夫館長は「（盛田さんの）現役時代の息吹を感じてもらいたい」と言う。