3階からの眺望を楽しむ親子連れら=23日、富山市木場町の富山県美術館

3階からの眺望を楽しむ親子連れら=23日、富山市木場町の富山県美術館

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入館者10万人に迫る 部分開館の富山県美術館

北日本新聞(2017年4月25日)

 富山県美術館(富山市木場町)は25日で、部分開館から1カ月を迎える。入館者数は10万人に迫る勢いで、前身の県立近代美術館の年間人数を上回った。人気スポットの富岩運河環水公園内という立地や立山連峰を一望できる設計が集客につながっているとみられる。29日には遊具を備えた屋上の利用も始まり、入館者はさらに増えそうな勢いだ。県は8月26日の全面オープンへ、準備を加速させる。

 3月25日の部分開館で、展示室と屋上を除くスペースが開放され、カフェやミュージアムショップも営業を開始。3階の洋食店「日本橋 たいめいけん」は連日満席となっている。

 入館者数は平日2千人、週末5千人で、24日までに9万2658人が来館。入館無料で単純比較できないが、年間8万2千人の近代美術館を1カ月で上回った。部分開館は展示環境が整うまで新施設をPRするのが目的だったが、週末は駐車場待ちの列ができるほどの盛況となっている。

 年間150万人が訪れる環水公園内という地の利に加え、東向きの壁は一面ガラス張りで立山連峰がパノラマで楽しめるなど、巧みな設計が魅力となっている。29日には擬音を形にした遊具が並ぶ「オノマトペの屋上」もオープン。新聞やテレビ、SNSでも盛んに取り上げられている。

 館内はポスターコレクションを検索できる巨大タッチパネルや体の動きでスクリーンに絵を描ける3Dドローイングも利用でき、美術に親しめる仕掛けもある。23日に家族4人で訪れた高岡市の会社員(41)は「子どもが楽しめ、開放的な空間もいい」と話す。

 県は、全面オープンに向けて、開館記念展「生命と美の物語 LIFE―楽園をもとめて」の準備を急ぐだけでなく、より幅広い世代の利用に向けた取り組みも進めている。今月末から5月にかけて、県内教員向けの研修会を開催。企画などに県民の声を反映させるため、運営委員会の委員も1人公募している。杉野秀樹副館長は「新美術館には鑑賞以外の楽しみもある。何度も訪れてもらえるよう努めたい」と話している。

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