夏山シーズンに向けた北アルプス・剱岳(2999メートル)の山開きが1日、上市町馬場島の登山口で行われ、関係者が登山者の安全と遭難犠牲者の冥福を祈った。今年は4月29日~5月7日の大型連休中に遭難事故が相次ぎ、剱岳一帯で3人が命を落とした。例年に比べて積雪が多いことから県警山岳警備隊は万全の装備や無理のない登山計画を呼び掛けている。
剱岳鎮魂(しずたま)の社(やしろ)前で安全祈願祭と鎮魂祭があり、上市町や県、県警、山小屋関係者ら約150人が出席した。坂井穂悦上市町観光協会長や伊東尚志町長、遭難犠牲者の遺族らが玉串をささげた。
坂井会長は2月に上市町の「エコツーリズム推進全体構想」が国の認定を受けたことに触れ、「剱岳は町を象徴する資源で構想推進の根幹になる。町と連携し楽しく安全に登山できるよう努めたい」とあいさつ。伊東町長、山崎宗良県議らとテープカットした。
出席者には豚汁が振る舞われた。記念イベントとして中山(1255メートル)の登山が行われ、18人が参加した。
同協会によると、1959年から昨年までに剱岳方面で345人が亡くなっている。