始発列車の乗客に見送りおわらを披露する踊り手=JR越中八尾駅

始発列車の乗客に見送りおわらを披露する踊り手=JR越中八尾駅

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心込め 見送りおわら 最終日はホームで

北日本新聞(2017年9月5日)

 富山市八尾町中心部で開かれた「おわら風の盆」を訪れ、始発列車で帰る人たちにホームで踊りを披露する「見送りおわら」が4日早朝、同市八尾町福島のJR越中八尾駅ホームで行われた。今年は混雑による安全上の理由から、2、3の両日は駅前で実施せざるを得なかった。例年通りの場所で行えることに喜びを感じながら、地元保存会の青年男女は心を込めて舞を披露した。

 「見送りおわら」は、福島おわら保存会(宮島章司会長)の青年男女が自主的に毎年実施。乗客は間近でおわらを鑑賞し、八尾を離れる最後の瞬間まで風の盆の余韻に浸ることができる。県内外から人気を集め、地元の特色となっている。

 今年は、2、3の両日が週末に当たり混雑が予想されたため、駅を管理するJR西日本金沢支社が乗客の安全を考え、保存会に駅前での実施を申し入れた。2、3の両日は駅前で、4日はホームで行うことになった。

 4日は、町中心部で踊りや唄を楽しみ、一夜を明かした大勢の人たちが駅に集まった。青年男女ら約40人は、午前5時40分発の富山行き列車に乗り込んだ観光客らに、優美で粋な踊りを披露。列車が動き出すと、踊り手と、車窓から眺めていた乗客は互いに手を振り合い、笑顔を見せた。その後、猪谷行きの始発列車でも行った。

 同保存会の青年のリーダー、亀田崇弘さん(24)は「ホームでやる方がしっくりくる。乗客と近い場所で行えてうれしかった」と笑顔を見せた。

 JR西日本金沢支社によると、2~4日を通じて混乱はなかった。来年以降の実施場所に関しては、今後検討していくという。

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