昔の関川村の一般家庭で、桃の節句に合わせて飾っていた「土人形」が渡辺邸で展示されている=関川村下関

昔の関川村の一般家庭で、桃の節句に合わせて飾っていた「土人形」が渡辺邸で展示されている=関川村下関

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「土人形」に知るかつての暮らし 関川・渡辺邸で公開

新潟日報(2019年2月20日)

 かつて新潟県関川村の一般家庭で桃の節句に合わせて飾っていた「土人形」を展示する催しが、同村下関の国指定重要文化財の渡辺邸で開かれている。

 同村では昭和30年代まで、豪農や裕福な家庭ではひな人形を飾っていたが、庶民の間では土人形を飾るのが一般的だったという。土人形は子どもが生まれたり、初節句を迎えたりしたタイミングで子どもの成長を願い、下関で開かれる市で購入することが多かった。人形は藤娘や桃太郎、大石内蔵助、菅原道真などさまざまだ。

 昭和40年代ごろから、ひな人形が比較的手軽に買えるようになったことから、桃の節句に土人形を飾る風習は廃れていったという。

 渡辺邸を管理する「渡辺家保存会」の職員の家で、土人形が何十年も"眠った"状態だったことから、かつての庶民の暮らしを知ってもらおうと、渡辺邸で初めて公開することにした。

 飾られているのは村内3家族の人形、約60体。明治期から昭和30年代までのもので、軍人の人形やビキニ姿の女性の人形など、その時々の世相を反映した人形が集められた。

 保存会の井浦慎一郎事務局長(68)は「昔の一般庶民の風習を知ってほしい」と話している。

 展示は旧暦の桃の節句の4月3日ごろまで。2月22日からは渡辺家に伝わってきた180年ほど前のひな人形も飾り付けられる。

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