護徳寺観音堂の屋根の部材から見つかった墨書き=阿賀町

護徳寺観音堂の屋根の部材から見つかった墨書き=阿賀町

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460年前の恋心現代に伝えて 護徳寺の墨書き展示 阿賀

新潟日報(2019年4月4日)

 国の重要文化財、護徳寺観音堂(新潟県阿賀町日出谷)の屋根の部材から見つかった墨書きが、町郷土資料館に展示されている。創建時の物とみられ、「恋しやな」などと記されている。屋根裏にしのばせた恋心が約460年の時を経てよみがえった。

 護徳寺観音堂は室町後期の1557(弘治3)年に建立。会津地方に勢力を張った芦名氏が伊達氏と争ったとき、守り仏をひそかに移したと伝わっている。

 2015年度からの2カ年事業で大規模修復工事が行われ、積雪で損傷していた南西の隅木を交換したところ墨書きが発見された。

 展示されている隅木は全長約5メートルで、墨書きは縦18センチ、横40センチほど。同館の解説によると、記した人物は津川の住人の「むら□□藤□郎」(□は判読不能)。建築時でなければ記せない場所にあることから、大工など普請に関わった人物と推測されるという。思い人十九さまとの一夜を切望する気持ちが「恋しやな」と繰り返す表現からも伝わってくる。

 護徳寺観音堂では堂内でも、思い人への墨書きが発見されているという。展示を担当した町社会教育課の阿部泰之さんは「好きな人への思いを書く心根は今も昔も変わらない。本物の部材に書かれた墨書きをぜひ見てほしい」と話した。

 同館は月、火曜休館で入場無料。0254(95)2253。

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