富山市中心部の桜木町一帯の約8100平方メートルをアリーナやホテル、商業施設などの大型複合ビルとして整備する再開発計画が浮上した。関係者によると、富山第一ホテルなどを建て替える計画で事業費は約220億円。7月上旬に地権者が準備組合を設立する方向で調整している。2025年の完成を目指す。
再開発が計画されているのは、城址大通りと松川に面した区画で、富山第一ホテルや佐藤工業北陸支店、アイザック城址公園前ビル、時間貸し駐車場などがある。地権者は法人・個人を含めて8人。
区画は中央を東西に横断する市道で隔てられている。計画では、区画の南や西側の市道を拡幅するなどして中央の市道を解消できるとみており、富山市と協議していく方針だ。
富山第一ホテルを運営する富山アメニティシステム(同市桜木町)は、老朽化が進むホテルを建て替えて複合ビルに入るか、現在の建物を維持するかどうかについて採算性を見極めながら慎重に検討を進めるとみられる。
計画によると、ホテル、オフィス、商業施設が入るビルとアリーナ、温水プール、ジムを備えたスポーツ施設に分かれた大型複合施設、分譲マンションの計2棟を整備する。
ホテルやオフィスなどのビルは20階建て以上となる見通しで、1、2階に商業施設が入る。アリーナはバスケットボールコートを2面分作れるスペースと観客席を確保。コンピューターゲームの腕前を競う「eスポーツ」の大会などの開催も視野に入れる。
桜木町の再開発は、16年2月に地権者が1回目の勉強会を開催。17年には「富山市桜木町まちづくり協議会」を発足させ検討を進めてきた。