新潟県長岡市小国町法末にあるため池をきれいにし景観のよい場所にしようと、法末集落の出身者らが整備を進めている。木道や階段を自分たちで造り、地域での古くからの呼び方を基に「火打池」と名付けた。整備が一段落し、自然観察などに訪れる人もいる。
池は「法末自然の家やまびこ」から県道を小千谷方面に約300メートル=地図参照=。大きさは600平方メートルほどで最も深い所は約3メートル。外周は約100メートルある。40年ほど前から棚田に水を引くため池として使われていた。しかし高齢化などで田んぼを管理する人が減ってきたことで、水面や池の周囲を草が覆い、長い間荒れた状態になっていた。
整備をしているのは、法末集落出身の大橋好博さん(66)=小国町新町=と、中山間地支援で法末に関わったことがある広橋潤さん(47)=来迎寺=の2人。池には絶滅危惧種の魚シナイモツゴや、メダカ、ゲンゴロウなど多くの生物がいる。手入れをして景観をよくし、生き物を守ろうと、昨年6月に整備を始めた。
池の周りを歩くための木道や階段、水面を掃除するためのドラム缶と木製のいかだを手作りした。池の中から生えた草を抜き、周囲の草刈りをして完了した。
地元では「ひょうち池」などと呼ばれていた。正式名称は燧池(ひうちいけ)だが、分かりやすいように「火打池」とした。
10月には、山の暮らし再生機構(長岡市)が主催するサロンが開かれた。親子連れら約20人が池を見学し、子どもたちはカエルやイモリを捕まえて楽しんだ。参加者に池を紹介した広橋さんは「多くの生き物がいるので、汚いままではもったいなかった。自然に親しめる場所になった」と話した。
大橋さんと広橋さんは今後、ホタルが生息できる水路などを整備していくことにしている。