100万人超が訪れる新潟県の長岡まつり大花火大会。名物の正三尺玉が花開く形をモチーフにした焼き菓子が「夏花火パイ」だ。60年以上続くロングセラー。手作りならではの放射状の形、サクサクした食感が売りだ。
ガトウ専科を展開する「美松」(長岡市大手通1)が夏の風物詩を商品化しようと試行錯誤の末、1960年に発売した。三尺玉のスケール感にちなみ、直径約10センチ。食べ応えがある。
ざらめをまぶした2枚のパイ生地をねじり合わせ、光の軌跡を表す。機械では複雑にねじれず、全て手作業だ。パイ生地が幾重にもなっており、かみしめるたび、口の中でほどけていくようなのも楽しい。
世代を問わず、贈り物として人気が高い。年間販売数は約300万枚に上る。美松の特売企画「サンキューまつり」で売られるシュークリームより多い。
4年に1度の全国菓子大博覧会で金賞に輝き、姉妹商品の「雪花火パイ」もできた。その歩みは、多彩なプログラムで進化を続ける長岡花火と重なる。
美松の春木隆宏・営業本部長代理(51)は「長岡で育ててもらった商品。地域に根差した菓子としてさらに広めたい」と語る。
1枚118円。4枚入りは540円。