2018年にノーベル医学生理学賞を受賞した本庶佑(ほんじょたすく)京都大特別教授(本籍・富山市)の功績を紹介するコーナーが9日、富山市科学博物館に新設された。がんの免疫治療薬開発に道を開いた研究内容などを伝えている。
本庶さんは、体内で異物を攻撃する免疫反応にブレーキをかけるタンパク質を発見し、がんの新たな治療法確立につなげた。両親が富山県出身で、幼少期を父親の出身地である富山市で過ごしており、同市名誉市民に選ばれている。
本庶さんのコーナーは、富山ゆかりのノーベル賞受賞者を紹介する常設展示「とやま・ノーベル賞受賞者コーナー」に新たに加わった。パネル3枚で、免疫の働きを抑えるタンパク質「PD1」などを図解を交えて分かりやすく説明している。
本庶さんのコーナー新設を記念し、本庶さんから寄贈された直筆サイン入りの論文と、座右の銘である「有志竟成(きょうせい)」と書かれた色紙も展示している。色紙の展示は来年の2月ごろまで。
常設展示では、利根川進さん(医学生理学賞)、田中耕一さん(化学賞)、梶田隆章さん(物理学賞)も取り上げている。担当者は「ノーベル賞を遠い世界だとは思わず身近に感じてもらい、自然科学に興味を持つきっかけになってほしい」と話した。