県内作家らでつくる日展富山会(齋藤尤鶴(ゆうかく)理事長)の第3回展覧会は19日、富山市民プラザで開幕した。国内最大級の総合美術展「日展」などで活躍する108人が1点ずつ出品。深遠な精神世界を映した力作がそろう。29日まで。
富山会は県内の美術振興を目指し、2019年春に発足した。富山会展は県内で2年に一度開催してきた日展の巡回展とは別に、同会が独自に企画している。
今回は東京・国立新美術館で昨秋開かれた「改組新第8回日展」の出品作を中心に展示した。
齋藤理事長(砺波)の木彫刻「十三夜」は、将来を見据えて前を向く少女とミミズクを表現した。8回展で東京都知事賞を受けた尾長保さん(氷見)は、研ぎ出し蒔絵(まきえ)などの技法を駆使した飾り皿を出品した。
青麦が広がる風景を描いた日本画や物思いにふける女性を捉えた洋画、赤と白のバランスに気を配って仕上げた篆刻(てんこく)などもある。
日展顧問を務める藤森兼明さん(砺波市出身、愛知)は「コロナ禍で、他の作家と直接対話できる機会はますます貴重になってきた。作品一点一点と向き合ってほしい」と話した。開会式で蒲地北日本新聞社長があいさつした。
入場料500円。日展富山会と富山市民プラザ、北日本新聞社主催。