富士山の雄大な姿を描いた「富士二題」に見入る関係者

富士山の雄大な姿を描いた「富士二題」に見入る関係者

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画業たどる35点紹介 県水墨美術館で山元春挙展

北日本新聞(2022年9月16日)

 京都画壇を代表する画家、山元春挙(しゅんきょ)の生誕150年を記念した企画展の開会式と内覧会が15日、県水墨美術館で開かれた。円山四条派の伝統的な流れをくみつつも油彩や写真など異なる分野の技術を意欲的に取り入れ、独自の表現を追求した春挙の大作が並び、出席者が熱心に鑑賞した。一般公開は16日から11月6日まで。

 春挙は四条派の野村文挙(ぶんきょ)や円山派の森寛斎(かんさい)に師事、14歳の頃から展覧会や博覧会に出品した。華やかな色彩の写実的な風景画を描き、竹内栖鳳(せいほう)と共に京都画壇の二大勢力と称された。

 会場には、第7回新古美術品展で栖鳳に次ぐ評価を得た出世作「法塵一掃(ほうじんいっそう)」や富士山の雄大な姿を克明に写し取った「富士二題」、六曲二双屏風(びょうぶ)「雪松図」など35点を並べ、3章構成で画業を紹介している。

 開会式には春挙の孫、山元寛昭さん(79)=滋賀県=が出席。春挙が写生のために黒部峡谷を毎年のように訪れていたと明かし「その地に春挙の作品が集まることに深い感慨を覚える」とあいさつした。続いて行われた内覧会では春挙が若い頃に描いた人物画を紹介し「『西王母之図』の西王母は私の祖母(春挙の妻)に似ている」などと語った。

 同館と北日本放送、北日本新聞社、生誕150年山元春挙展実行委員会主催。

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