柏原兵三の長男、光太郎さん(右)と共に会場を回る来場者=高志の国文学館

柏原兵三の長男、光太郎さん(右)と共に会場を回る来場者=高志の国文学館

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柏原兵三の歩みたどる 高志の国文学館

北日本新聞(2022年9月25日)

 入善町ゆかりの作家、柏原兵三の没後50年を記念した企画展が24日、富山市の高志の国文学館で始まった。入善町を舞台にした小説「長い道」や芥川賞に選ばれた「徳山道助の帰郷」などの直筆原稿や書簡、絵画など多彩な資料を並べ、柏原が生きた時代と作品世界を紹介している。開館10周年記念展。12月5日まで。

 柏原は1933年千葉県に生まれた。東京大大学院でドイツ文学を専攻。大学で教壇に立ちながら創作した。自伝的小説「長い道」は氷見市出身の故藤子不二雄(A)さんが自身の体験を重ね「少年時代」として漫画化、映画化もされた。72年、脳出血のため38歳で急逝した。

 会場には柏原の長男、光太郎さん(東京)が同館に寄贈した5685点から約240点を並べる。推敲(すいこう)の跡が残る草稿や作品に登場する友人からの書簡、中学・高校時代に描いた絵など多彩な資料を展示し、4章構成で柏原の歩みをたどる。来場者は光太郎さんと共に会場を巡り、柏原の創作姿勢に理解を深めた。

 開会式では、横田美香副知事が寄贈者の光太郎さんに紺綬褒章を伝達。光太郎さんは「父は小学校2年生の時に亡くなったのでしっかり話をしていなかったが、これを機会に父と向き合いたい」とあいさつした。北日本放送、北日本新聞社共催。

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