県美術館で開催中の「西洋絵画400年の旅」展は20日の閉幕が迫る中、西洋絵画史を一望する名品を鑑賞しようと美術ファンが続々と訪れている。17日も県内外から大勢の人が来場し、品格漂う肖像画や歴史画などに見入った。
同展は東京富士美術館(東京都八王子市)のコレクションで構成。ルネサンスの影響を色濃く残す歴史画や人々の暮らしぶりを映した風俗画、光を捉えた印象派の風景画など16~20世紀の83点がそろう。
熊本県から夫と訪れた久我清子さん(74)は貴族らを捉えた肖像画が印象的だったとし「衣服の質感がすごくリアルに描かれていて驚いた。丹念に筆を重ねる画家の姿勢に心を打たれた」と語った。
ゴルディジャーニの「シルクのソファー」に見入っていた富山市の公務員、竹内博文さん(55)は「それぞれの作品から当時の生活や文化が伝わってくる。歴史をたどれる内容で勉強になる」と話した。
フランスの革命家、ナポレオンを描いた英雄像など、有名な人物や歴史的場面を題材にした作品も多い。友人と一緒に訪れた同市の無職、伊藤勇さん(80)は「勇ましい表情やきゃしゃな指先など、どの絵もよく人物の特徴を捉えている。イメージしていたより大きい作品も多く、見応えがあった」と語った。
開館時間は午前9時半~午後6時(入館は同5時半まで)。県美術館と北日本新聞社でつくる実行委員会と県主催。