富山市神通峡地域の活性化に取り組むグループ「神通峡ふるさと創生物語」(森坂義孝代表)が、JR高山線猪谷駅そばの土産物店の協力を得て、観光客向けに自転車を貸し出している。駅を起点ににぎわいづくりにつなげたい考えで、グループは「地域の隠れた魅力をぜひ発見してほしい」と利用を呼びかけている。
「レンタサイクル」として今月1日からスタートした。電動アシスト付き自転車2台を用意。利用希望者は猪谷駅前にある土産物店「森下友蜂堂」で有料で借りられる。取り組みは県の中山間地チャレンジ支援事業を活用した。
かつて商店や旅館、映画館などが立ち並んでいた同駅周辺は、現在は酒店や郵便局など店舗はわずか。駅の利用客から「駅周辺から歩いて行ける場所が少ない」との声が出ていたという。
一方で、駅から足を延ばせば、富山の滝37選の一つ「常虹(とこにじ)の滝」や石仏が集められた「野仏群」など魅力あるスポットが地域にあることから、グループ代表の森坂さんらが観光客向けの移動手段としてレンタサイクルを思い付いた。森下友蜂堂代表の森下健蔵さんが賛同し、取り次ぎの役割を担うことになった。
自転車の利用者には駅から観光スポットまでの所要時間を記したマップも提供している。2人は「これをきっかけに多くの人に地区に来てもらい、自然と歴史、人情に触れてもらいたい」と笑顔を見せた。
利用時間は午前9時~午後6時で要予約。料金は2時間500円、4時間千円、8時間1500円。収入の一部はウクライナの復興支援に充てる。手荷物の預かりに応じるほか、地元店舗で使える300円分の買い物割引券を配る。受け付けは森下友蜂堂、電話090(2035)7262。