富山市四方地域の住民でつくる「四方を良くするプロジェクト」(長濱成輝代表)は、地元名産のイカの黒作りとかまぼこを組み合わせた新商品「黒くずし」をプロデュースした。商品化に協力した製造元も「斬新な発想」と驚く味わいと食感が楽しめる。今月上旬からの販売開始を前に、メンバーらは「多くの人に食べてほしい」と笑顔を見せた。
四方を良くするプロジェクトは、四方地域を盛り上げることを目的にメンバー9人で活動している。約3年前、コロナ禍で閉塞感が漂う空気を「何か面白いことで変えたい」とアイデアを練る中で、地域で親しまれている食品のコラボを考えた。イカの黒作りが自慢の「蛯米水産加工」(蛯谷正俊社長)と、かまぼこ店「四方蒲鉾(かまぼこ)」(熊野泰邦社長)に提案したところ、実現へ快い返事をもらえた。
商品化に3年ほど要した。作り方はスケトウダラをすり身状にして、イカの黒作りを丸ごと合わせた後に蒸して仕上げる。材料の割合や配合を変えるなど試作を重ね、黒作りのまろやかな風味とかまぼこの弾力ある食感が楽しめる形に行き着いた。食べる前にあぶると、より香りが引き立つ。
製造を担った蛯谷さんと熊野さんは「予想外の発想だった」と声をそろえる。長濱さんは「今までにない商品ができた。お酒のつまみにぴったりなので、家族や仲間と楽しく食べてほしい」とアピールした。1袋1490円(2本入り)。蛯米水産加工と四方蒲鉾で購入できる。