月下美人を模した木彫作品「月光」に見入る来場者=県水墨美術館

月下美人を模した木彫作品「月光」に見入る来場者=県水墨美術館

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緻密で繊細、驚嘆の手業 県水墨美術館で超絶技巧展開幕

北日本新聞(2023年12月9日)

 企画展「超絶技巧、未来へ! 明治工芸とそのDNA」が8日、県水墨美術館で始まった。高い技術を誇る明治時代の工芸品と、その精神を受け継ぐ現代の作家による緻密で繊細な121点が並び、来場者はガラスケースに顔を近づけ、手業が光る作品の数々に見入った。来年2月4日まで。

 「超絶技巧」のキャッチフレーズを冠し、2015年、18年に同館で開かれた企画展の第3弾。今回は現代作家17人を中心に取り上げた。細かな部分までリアルに表現された木彫作品や、革新的な発想で生み出された漆工、金工などの意欲作が並ぶ。

 開会式に続き、展覧会の企画協力を担った浅野研究所代表の広瀬麻実さん(東京)が作家の背景や作品の素材などを解説。木彫作品について「どの作家も道具にこだわり、自分用の道具を作ってもらったり、江戸時代の刃物を買い集めたりしている」と紹介した。

 富山市の木彫作家、岩崎努さんら出品作家もマイクを握った。岩崎さんは柿を再現した自作を前に「自分の中の『柿らしさ』を凝縮したものを作っている」と語った。県水墨美術館、北日本新聞社など主催。

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