翁久允の書簡や原稿など約250点が並ぶ会場

翁久允の書簡や原稿など約250点が並ぶ会場

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翁久允の歩み紹介 高志の国文学館(富山)で没後50年展、原稿や日記250点展示

北日本新聞(2023年12月17日)

 「没後50年 コスモポリタン 翁久允(おきなきゅういん) OKINA Kyuin 脱日本人!展」が16日、富山市の高志の国文学館で開幕した。立山町出身の作家・ジャーナリスト、翁久允(1888~1973年)の原稿や日記、書簡、写真など約250点を展示。世界的な視野を持った文筆活動で、郷土の歴史や文化を知る大切さを説いた「コスモポリタン」の歩みを紹介している。来年3月4日まで。

 翁は19歳で渡米し、日系移民の生活や心情を描いた小説を次々と発表。移民地文学の先駆けとして活躍した。帰国後の1936年には富山で郷土研究誌「高志人(こしびと)」を創刊。郷土史家や俳人らの寄稿に加え、自身の随筆や日記も載せ、生涯にわたって筆を執り続けた。

 企画展に合わせ、翁の孫で「翁久允財団」代表理事の須田満さん(69)=東京=が旧蔵資料9314点を同館に寄贈。会場にはこのうち「高志人」の直筆原稿や、さまざまな文化人からの書簡などを並べた。絵本作家でもある室井滋館長が、翁の少年時代を題材に制作した絵本「キューちゃんの日記」(北日本新聞社刊)の原画も飾った。

 開会式では新田八朗知事が須田さんに感謝状を贈呈。翁の三女で元聖徳大教授の逸見(いつみ)久美さん(97)=同=もあいさつした。

 午後からは須田さんと富山大の水野真理子准教授の記念対談があり、生い立ちや渡米の経緯、祖父としての翁のエピソードなどを語った。北日本新聞社共催。

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