滑川市三穂町の水産加工、川村水産は、本社工場横に体験型観光施設をオープンした。海側がガラス張りの２階建てで、富山湾を一望しながら休憩することができる。現在は自社商品の販売のみ行っているが、将来的には沖漬けなどを作る教室を開いたり、飲食メニューを提供したりする計画。川村雅江社長は「お客さんの顔を思い浮かべながら造った。小さい施設ながら、思いが詰まっている」と話す。

　川村水産は海沿いに２階建ての事務所兼工場があり、１階は工場、２階が事務所となっている。「ほたるいか沖漬」など自社商品はこれまで事務所で販売していたが、客は急な階段を上り下りする必要があったほか、遠方から商品を買いに来た観光客が近くで道に迷うケースもあったという。

　一方、事務所から海がきれいに見えると評判だった。車いすの常連客がいることなども考え、海沿いの景観を生かしつつ、目印にもなるような施設を造ろうと構想を練った。

　建物は船の形をイメージし、温かみが感じられる木材を多く使用。１階は自社商品を販売する売店で、２階は休憩スペースとして机やいすを置いた。

　天気がよい日は能登半島まで見ることができる。車いすで利用しやすいよう、小型のエレベーターを設置した。

　厨房（ちゅうぼう）を備え、ゆくゆくは自社商品や加工技術を生かし、白エビやホタルイカを使った食事の提供や、沖漬けや昆布締めなどの作り方の教室も計画する。川村社長は「多くの人に休んでもらえる場にしたい」と話した。

　営業は午前９時～午後４時。水、日曜と祝日定休で、年末年始も休業。ホタルイカ漁の時期は無休。