富山、石川の両県で飲食事業などを展開するシーアンドエス(富山市天正寺)は、複数人が協力してペダルをこぎ、会話や飲食を楽しみながら走行する自転車「パーティーバイク」を利用した事業を計画している。日本ではあまり知られていないが、欧米では人気を集めているという。参加者同士の交流や地域の活性化が期待できるとして、社長の土井弘平さん(59)は「笑顔あふれる富山にしたい」と準備を進める。事業は6月のスタートを見込む。
パーティーバイクは屋台のような形状で、運転手がハンドルとブレーキを操作する。乗客6~8人がカウンターを囲みながら協力してペダルをこいで車両を進める。時速は6~7キロ。自転車と同様に公道を走ることができる。
土井さんは新型コロナウイルスの影響で、飲食店が相次いで閉店する中、街を活気づける方法を模索しており、昨年春にパーティーバイクの存在を知った。横浜市で開かれていたイベントに参加し、初対面の参加者と一緒にペダルをこぎながら観光地巡りを楽しんだ。「自然と一体感が生まれ、仲良くなれた」と振り返る。
街を活性化するツールになると思い、県内での導入に向けて準備を始めた。
昨年10月には車両を借りて、富山城址公園や富岩運河環水公園周辺を巡る試乗会を実施。1週間で100人以上が参加し、好評を得た。
今年6月の事業開始を目指し、現在業者に車両の製造を依頼している。土井さんは「富山の新しい名物にしたい」と意気込む。
シーアンドエスは事業化に向けてクラウドファンディングサイト「CAMPFIRE」で2月29日まで支援金を募っている。