三味線や笛、太鼓で曳山囃子を奏でる今町曳山保存会のメンバー

三味線や笛、太鼓で曳山囃子を奏でる今町曳山保存会のメンバー

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富山・八尾町今町の曳山囃子を後世に 50年ぶり録音、CD制作

北日本新聞(2024年2月26日)

 富山市八尾町中心部の今町曳山(ひきやま)保存会(廣川正司会長)は、今町に伝わる曳山囃子(ばやし)11曲を収録したCDの制作を進めている。今町では約50年前に当時の囃子方が音源に残して以来、更新されておらず、最新の音声を後世に残そうと企画した。2月25日は、同市八尾コミュニティセンターで、保存会のメンバーが古式ゆかしい伝統の音色を奏で、録音した。

 八尾町中心部では毎年5月3日に越中八尾曳山祭が開かれ、6町が絢爛(けんらん)豪華な曳山を引き回す。囃子方が各町の曳山に乗り込み、三味線や笛、太鼓の音色を響かせる。

 今町は曳山を持つ6町の中で最も面積が小さく、世帯数も28戸と少ない。囃子は町ごとに異なり、今町も2022年に約50年ぶりに復活させた唄「戀(こい)のいろは」や「この花」などを独自に受け継いでいる。

 曳山囃子を録音するに当たり、住民は約1年半前から稽古を重ねた。冬の寒稽古や祭りの直前期以外にも月に数回集まり、旋律を確認した。

 ご神体の菅原道真の命日に合わせ、2月25日に録音を実施。20~70代の15人が集まり、「一の手」「二の手」などの本囃子や、曳山が坂道を通過する際に演奏する「上下の坂」、各町で引き回しが終わった後に歌われる「おきんさ」などを次々と奏でた。

 CDは3月中に完成予定で、全28戸に配布する。1862年に今町が曳山を譲り、現在も毎年4月の「高砂山願念坊(たかさごやまがんねんぼう)祭」で練り回している富山市下大久保地区(大沢野)にも贈る。廣川会長(60)は「住民の数は少ないが、長年受け継がれてきたものを途切れさせることなく、若い世代につないでいきたい」と話した。

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