大作の「源義経(ジンギスカン)」を眺める来場者。右は解説する木村学芸員=県水墨美術館

大作の「源義経(ジンギスカン)」を眺める来場者。右は解説する木村学芸員=県水墨美術館

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折々の時代映す大作 県水墨美術館で川端龍子展開幕

北日本新聞(2024年3月16日)

 横山大観、川合玉堂と共に近代日本画三巨匠の一人に数えられる川端龍子(りゅうし)(1885~1966年)の作品を集めた企画展が3月15日、県水墨美術館で開幕した。折々の時代を映す大胆な発想の大作がそろい、来場者は圧倒されたように見入った。5月26日まで。

 龍子は和歌山市生まれ。洋画家を志したが、米国遊学中に日本の古美術に触れた経験から日本画家に転向した。戦争や社会のニュースを取り込み、大衆の心を動かすスケールの大きな作品を発表し、1959年に文化勲章を受章した。

 会場には洋画の影響が色濃く残る初期の作品から晩年の大作まで約90点が並ぶ。炎天下に生い茂る雑草を紺地に金で描いた屏風(びょうぶ)「草の実」や、幅7メートルを超す画面いっぱいにスケルトン状の戦闘機を配した「香炉峰(こうろほう)」などの代表作のほか、スケッチや雑誌の表紙絵なども展示されている。

 開会式に続き、龍子の作品を所蔵する大田区立龍子記念館の木村拓也学芸員(43)=東京都=が展示解説した。芸術は大衆のためにあるという信念を貫いた龍子の姿勢や作風の変遷を紹介。「常に時代を追いかけ、日本画の表現を追求し続けた龍子の芸術観をご覧いただければうれしい」と語った。県水墨美術館と北日本新聞社など主催。

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