「堀辰雄生誕120年展"風立ちぬ"堀辰雄と軽井沢の文学者たち」が23日、富山市の高志の国文学館で開幕した。「風立ちぬ」「美しい村」「菜穂子」などで知られる作家、堀辰雄(1904~53年)の自筆資料や愛用品など約250点を展示し、詩心あふれる作品世界を伝えている。6月3日まで。
堀は東京生まれ。プルーストやリルケといった欧州の作家の表現方法を研究し、愛や青春、生死をテーマとした作品を発表した。結核の療養を兼ねて軽井沢をたびたび訪れ、芥川龍之介や片山廣子、萩原朔太郎ら多くの文学者と交流した。
会場には堀の直筆原稿や西洋文学を研究したノート、愛用した万年筆などを並べて創作の軌跡を紹介。堀の師である室生犀星や芥川が堀に送った書簡のほか、同館が所蔵する、片山と芥川との間で交わされた書簡も特別公開している。
軽井沢ゆかりの作家の資料を幅広く収集、展示する軽井沢高原文庫(長野県軽井沢町)の大藤(おおとう)敏行館長による講演もあった。北日本新聞社共催。