棚田を背景に、イセヒカリを紹介する河上さん=富山市土

棚田を背景に、イセヒカリを紹介する河上さん=富山市土

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米で好評、富山の棚田米 土遊野の有機米「イセヒカリ」がカリフォルニア州の飲食店で「すしに最適」と人気

北日本新聞(2024年5月3日)

 富山市土(大沢野)で循環型農業に取り組む有限会社「土遊野(どゆうの)」が棚田で栽培する有機米「イセヒカリ」が、米カリフォルニア州にあるレストランで採用されている。店ではすしにして提供しており、甘みのある味わいが客から好評を得ている。土遊野の農産品が海外に進出したのは初めてで、代表の河上めぐみさん(38)は「人と自然のつながりを広く伝えていきたい」と話す。

 土遊野では農薬や化学肥料を使わずに、アイガモ農法を取り入れるなどしてコメを作っている。粘土質の土壌や中山間地の昼夜の寒暖差から、うま味と甘みのあるコメが育つという。

 今回採用されたイセヒカリは、伊勢神宮(三重県)の神田で見つかったコシヒカリの突然変異種とされる。土遊野では、2015年に河上さんが代表を継ぐ前から栽培している。調理をしても粒がつぶれにくい特徴がある。

 レストランは、今年2月に現地にオープンした「Silvers Omakase(シルバーズ オマカセ)」。ミシュランの星付きの店で腕を振るったこともあるレノン・シルバーズ・リーさんが料理長を務める。リーさんは河上さんの知人を通じて土遊野のコメを口にする機会があった。店のホームページでは「コシヒカリよりも甘く、しっかりとした食感ですしに最適」と紹介している。

 河上さんのもとには、来店客の「おいしい」「コメの重要さや大切さが伝わった」など人気を集める声が届いている。「とてもうれしく勇気づけられた。今後も日本の水田には価値があることを伝えていきたい」と農業への思いを新たにしている。

 土遊野の農産物は、インターネットで購入できる。

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