県内で開催される二つの冬の祭典、知的障害者の冬季国内競技会「スペシャルオリンピックス(SO)2016新潟」(12~14日)と、アルペンスキーワールドカップ(W杯・13、14日)を控え、会場設営の準備が大詰めを迎えている。少雪の影響を心配する声も上がったが、関係者の懸命な努力で間に合わせた。最後のコース整備が続く会場ではのぼり旗があちこちに立てられ、歓迎ムードが高まっている。
SOの雪上競技会場となる南魚沼市の五日町スキー場。6日は多くの客がスキーを楽しむ中、SOをPRするのぼり旗や立て看板を設置するスキー場従業員らの姿が見られた。
ゲレンデには60センチ程度の積雪があり、滑走は可能だが、アルペンやスノーボードのフィニッシュ付近の積雪は約20センチしかない。フィニッシュ付近は重機が入れないため、スキー場のスタッフは8日の休業日を使って手作業で雪を運び込む。クロスカントリーとスノーシューの会場には数日前から雪の搬入を続け、競技ができるコンディションに整備した。
SO南魚沼市実行委員会委員長の佐藤広隆さん(77)は「こんな少雪は記憶にないほどだが、なんとか雪をかき集め、選手がけがをせずに競技ができるコースを仕上げる。市民にとっても貴重な体験ができる大会なので、すべての人に良い思い出をつくってもらいたい」と力を込める。
アルペンW杯が開かれる湯沢町では、湯沢学園の児童が、11日の選手らの歓迎パーティーで披露する「雪雷(ゆきおろし)太鼓」の練習に励んでいる。
雪雷太鼓は約40年前、地域おこしの一環として住民有志が始めた。パーティーには小学1~5年の15人が参加する予定。4日には最後の練習会が開かれた。5年生の岩村天清君(11)は「選手たちに驚いてもらえるような演奏をして、湯沢の文化を伝えたい」と意気込む。
競技の舞台となる苗場スキー場では、最後のコース整備作業が続いている。7日からは氷のバーンに高圧の水を注入し、より硬くする仕上げの作業に取り掛かる予定だ。