上田市を走る上田電鉄別所線の各駅のホームや待合室の床に、同市ゆかりの戦国武将・真田幸村と、家臣として小説などに登場する真田十勇士を描いた駅名表示が取り付けられた。別所線を利用する観光客に、幸村ゆかりの地・上田をPRする狙い。駅ごとに異なる絵が乗降客の目を楽しませている。
2015年春は善光寺(長野市)の御開帳があり、同社運輸部は、別所温泉駅に近い北向(きたむき)観音との「両参り」による観光客の増加が期待できるとする。幸村の生涯を描くNHK大河ドラマ「真田丸」が放送される16年にも上田を訪れてもらおうと企画した。
表示は縦60センチ、横1メートルで特殊なシールになっている。業務用インクジェットプリンター製造のミマキエンジニアリング(東御市)が費用を負担して作った。絵は上田市中央2のデジタルデザイン会社「アールマム」のデザイン。11月中旬に各駅に貼られた。
幸村と十勇士全員が描かれたものや、幸村や十勇士それぞれが単体で描かれたものがある。赤坂上駅は霧隠才蔵、大学前駅は猿飛佐助といった具合に、駅によってデザインが異なるのも楽しみの一つだ。全15駅のうち、ホームの工事をしている舞田駅は工事完了後に設置する。
運輸部の担当者は「十勇士を知ってもらい、真田丸の放送に向けて真田氏に興味を持ってほしい」と話している。