東山魁夷さんの障壁画「濤声」のリトグラフ

東山魁夷さんの障壁画「濤声」のリトグラフ

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「摺師」森仁志さんの足跡たどる 上田市立美術館で回顧展

信濃毎日新聞(2015年1月25日)

 版画を刷り上げる「摺師(すりし)」として活躍し、昨年6月に67歳で亡くなった上田市出身の森仁志さんの回顧展「森工房『大版画』の全貌(ぼう)展」が24日、同市天神の市交流・文化施設「サントミューゼ」内の市立美術館で始まった。リトグラフ(版画の一種)や油絵計56点が並ぶ。森さんと40年以上前から親交がある版画研究者の魚津章夫さん(73)=東京都立川市=のトークイベントには、約80人が参加した。

 森さんは美術専門の出版社に勤める傍らリトグラフ技術を習得。1973(昭和48)年にフランスの工房でリトグラフ制作を学び、帰国後に工房を設立した。魚津さんは、森さんが芸術家の岡本太郎さん(1911~96年)らと取り組んだ世界最大級のリトグラフ作品などを説明した。

 日本画家東山魁夷さん(1908~99年)の「濤声(とうせい)」のリトグラフ(縦63・5センチ、横664センチ)は、海を318色で表現し、318版刷り重ねた。魚津さんは「日本の版画史の中で記念碑的なもの」と説明した。

 森さんの妻だった林栄子さん(68)=埴科郡坂城町=は「作品を古里の美術館に収めてもらい(森さんは)喜んでいると思う」と話した。

 2月15日まで、火曜休館。入場料は一般500円、大学・専門学校生300円、高校生以下無料。問い合わせは上田市立美術館(電話0268・27・2300)へ。

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