「今日も思いやりのサービスを」と運転手に声を掛ける戸川社長(右)=福井市二の宮1丁目の三栄タクシー

「今日も思いやりのサービスを」と運転手に声を掛ける戸川社長(右)=福井市二の宮1丁目の三栄タクシー

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接客、特別構えず親切の延長 福井市のタクシー会社

福井新聞(2015年3月13日)

 「雨の日に、運転手が玄関先で傘を差して待っていてくれたことがあった。とても印象的でした」。福井県の三栄タクシー(福井市二の宮1丁目)の運転手齊藤悦治さん(67)は入社前、同社を利用して心温まる体験をした。「日々、親切な接客を心掛けてほしい」。戸川辰夫社長(74)の思いが運転手一人一人に浸透している表れだったことが、会社に入ってから分かった。

 60人近くの運転手が勤める同社は、1962年創業。程なく、運転手たちが自主的に「サービス向上委員会」を立ち上げ、お客が求めるサービスとは何かを探った。思いやりの心で接する社風はこうして、運転手たちが自ら築いていった。1日に福井市で開かれた観光おもてなし市民運動推進大会で、同社の運転手が感動おもてなし大賞を受賞している。

 夜に女性を送ったら玄関に入るまで見届ける、高齢者の乗り降りを手助けするなど、マニュアルはない中で運転手自身が考えて動く。戸川社長は「『おもてなし』は特別構えてするものではない。地元のお客さまへの接し方の延長線上に、観光客相手の仕事がある」と強調する。

 もちろん、観光客に満足してもらう努力も普段から怠らない。年に一度の研修会では、東尋坊や永平寺といった県内の名所を見て回る。行政の取り組みにも積極的に参加。県の歴史や食など観光に関する幅広い知識を問う「県観光おもてなし認定」には、運転手5人が認定されている。

 認定者の一人、齊藤さんは「例えば春なら、お客さんに了解してもらった上でルートを変え、桜並木の美しい道を選ぶこともある。福井の魅力を知っていると、おのずと紹介したくなるので」。観光パンフレットには載っていないような穴場スポットや豆知識を紹介すると喜ばれるという。

 「北陸新幹線が金沢開業となる今、タクシーや観光業界だけでなく、県民みんながもっと福井の魅力を知ってほしい」と戸川社長。「観光客がどの福井人に接しても、『福井っていいな』と思ってもらえるのが理想。素晴らしい観光資源があるのだから、自信と誇りを持ちたいですね」

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