全国の希少な茶を紹介している特別展=福井県福井市愛宕坂茶道美術館

全国の希少な茶を紹介している特別展=福井県福井市愛宕坂茶道美術館

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福井市愛宕坂美術館で特別展「幻の茶を訪ねて」 茶の産地に焦点、5月12日まで

福井新聞(2024年4月23日)

 福井県福井市愛宕坂茶道美術館の開館25周年と北陸新幹線県内開業を記念した特別展「幻の茶を訪ねて」が5月12日まで同館で開かれている。同館学芸員が北陸新幹線沿線など全国13カ所の希少な茶の産地を取材し、バラエティー豊かな魅力を紹介している。

 茶の文化掘り起こしと魅力発信を目的に、高島礼学芸員が2年がかりで各産地を取材した。それぞれ現地で撮影した写真や文章をまとめた解説パネルのほか、実際の茶葉や商品パッケージ、茶道具などを展示している。

 北陸新幹線沿線のコーナーで紹介している埼玉県入間市は茶の生産量が全国の2%ほどという希少な「狭山茶」の産地。甘くて濃厚な味とコクのある風味が特徴で、他産地との差別化を図るため手もみにこだわった製法を続ける男性の思いに迫っている。苦みがほとんどなく甘みが強い長野県天龍村の「中井侍(なかいさむらい)茶」は、高低差365メートルの急斜面で栽培され、眼下に望む天竜川から立ち上る朝霧が、茶をおいしくすると解説している。

 そのほか、四国からは「四国山地の発酵茶の製造技術」として「記録作成等の措置を講ずべき無形の民俗文化財」になっている四国3大後発酵茶の「阿波晩茶」「石鎚黒茶」「碁石茶」を紹介。茶葉を漬物のように漬け込み発酵させるのが特徴で、「茶摺(す)り舟」と呼ばれる阿波晩茶の発酵を促す道具も展示している。

 期間中は週替わりで、特別展で紹介しているお茶を味わえる(午前10時から先着20人、1杯200円)。5月3日午後2時から展示解説もある。月曜休館(祝日の場合は翌平日)。観覧料300円。問い合わせは同館=電話0776(33)3933。

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