福井市北部の国道8号沿いに立地するラーメン各店のコラージュ。人気チェーンが新店を開き、激戦に拍車が掛かっている

福井市北部の国道8号沿いに立地するラーメン各店のコラージュ。人気チェーンが新店を開き、激戦に拍車が掛かっている

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ラーメン店が戦国模様、福井の国道8号 新規出店でますます熱く

福井新聞(2015年8月28日)

 ラーメン店が連なる福井県福井市北部の国道8号沿いに24日、人気チェーンが新店を開き、激戦に拍車が掛かっている。コンビニ店数を優に超す集中ぶりに「客の奪い合いにならないの?」と心配する声も聞かれそうだが、取り越し苦労のようだ。豊富な交通量を誇る8号沿いは客足が見込める上、店が集まることで一層の集客効果があるらしい。各店に激戦区で商う意気込みを聞いた。

 ■10年前から続々

 運転中に黄や赤色の看板が目に入ると、熱々の一杯を無性にすすりたくなる。国道8号の米松交差点(福井市松城町)から大和田交差点(同市大和田2丁目)の南北約5キロは、地元店から巨大チェーンまで7軒が並ぶ県内屈指の"ラーメン街道"。付近のショッピングセンター内の店舗を含めると10軒を超える。

 豚の背脂でコクを出した「背脂チャッチャ系」で人気の岩本屋(本社福井市)は、24日に米松店をオープンした。屋台創業から16年、県内6店舗目にして8号沿いは初出店。「工事段階から開店日を気にしていた」と、ある同業者は警戒感を強めている。

 開店日の昼時、にぎわう様子を見守っていた岩本修一社長(44)は「大和田周辺の開発に伴い、8号沿いの客足は伸びると予想している。県内での攻勢を強める足掛かりにしたい」と勝ち気だ。

 国と県の交通センサス(2010年度秋季)によると、同区間の交通量は1日5万台前後で県内最大。ラーメン店の多くが10年ほど前から競い合うように出店を続けた。

 らーめん世界(本社石川県)開発店はニンニクを利かせた濃厚な豚骨しょうゆスープが売り。石野康弘社長(46)は「焼き豚は食感を生かすため手切りにこだわる。研究を惜しまず他店に差をつけたい」と自信を示す。

 福井県内で30店舗を構える8番らーめん(同)。あっさりとした味付けは多くの人に親しまれ、店内には家族連れも目立つ。米松店に孫と来店した福井県永平寺町の女性(74)は「慣れ親しんだ8番なら『ほっ』と安心できる」と笑顔を見せた。

 卵カツ丼とのセットを看板商品に掲げるなん・なん亭(本社福井県あわら市)も存在感を出している。福井大和田店にはサラダバーを置き、野菜が不足しがちな学生にファンが多い。

 このほか東証1部上場の大規模チェーン店なども並ぶ。

 ■ライバルは「そば」

 競合店の集結を嫌うかと思いきや、各店とも前向きに捉えている。8番米松店の田部晴一オーナー(50)は「エリアの知名度が高まり、お客さんの増加につながる」とメリットを強調。なん・なん亭の南理槻央社長(52)も「各店が刺激し合うことは味やサービスのレベル向上に必要だ」と考える。

 「ライバルは?」との質問に、らーめん世界の石野社長は「そば屋さん」と即答した。「福井は北陸でも特にそば人気が高い。その牙城にどう攻め入れるかが鍵」と力を込める。8番が夏季限定で販売する「ざるらーめん」は、そば店も意識しているという。

 ライバル同士ながらラーメンの普及を目指し、ファンを一人でも多く呼び込もうという思いは各店共通だ。

 ■来県の呼び水に

 ラーメン店は8号西側(坂井市方面行き)に集まっている。岩本社長に聞くと「西に広がる市中心部や開発方面からの流入を見越している」との答え。4月にはすしチェーン店も進出したばかりで、外食産業全体の注目が8号西側に向いている。

 福井県立大地域経済研究所(永平寺町)の南保勝教授は「ラーメン街道として知られるようになれば観光客の呼び水にもなる」と指摘。「市街地の隠れた名店や福井市外のラーメン店、県内の食全般に興味を持つ人が増えるきっかけになれば」と期待を寄せる。猛暑は過ぎたが、8号周辺のラーメン商戦はますます燃え上がりそうだ。

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