戦国武将・真田信繁(幸村)の生涯を描くNHK大河ドラマ「真田丸」の放送に合わせ、城下町の歴史がある松本市が、真田氏ゆかりの上田市と観光連携を強めている。両市を結ぶ直行バスが2月に運行を始めるのに先立ち、それぞれの観光情報を相手の広報誌に掲載する取り組みを今月始めた。ドラマの放送で注目が集まる機会を生かして両市の歴史資源をアピールし、新たな観光需要の開拓を狙う。
バスは2月6日から土日と祝日に運行する。松本バスターミナルとJR上田駅の間を、国道254号三才山トンネル有料道路を通って1日2往復。所要時間は1時間45分で、運賃は片道1500円(6〜11歳は750円)。ダイヤを載せたチラシは、国宝松本城と上田城跡公園の歴史を写真と共に紹介、両市の観光施設などで配っている。
松本市観光温泉課の前沢弘一課長は、県営松本空港(松本市)にフジドリームエアラインズ(FDA、静岡市)の札幌、福岡便が発着していることから、同空港が玄関口となることに期待。「松本と上田が連携し、北海道と九州の観光客を引き込みたい」と話す。JR北陸新幹線(長野経由)で上田を訪れた人を、松本に呼び込む狙いもある。
松本市の「広報まつもと」1月号は、1ページ分を上田市が作った。上田城跡公園内に17日開館した「信州上田真田丸大河ドラマ館」をアピールする母袋創一市長のコメントを載せ、入場料割引クーポン券も付けた。2月には上田市の「広報うえだ」に松本の情報を掲載する予定だ。
上田市は、信繁の兄信之ゆかりの松代城跡がある長野市とも連携。両市にあるゆかりの地を巡る周遊パンフレットの作製も進めている。
上田市観光課によると、10日の放送開始後、旅行会社などから観光パンフレットを含む資料請求の問い合わせが増えた。同課の担当者は「松本には空港があるというのが大きい。長野も含めた『トライアングル連携』で、観光客を呼び込みたい」としている。