上海便で富山空港に到着した中国人観光客ら

上海便で富山空港に到着した中国人観光客ら

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「爆買い」商機に知恵絞る 中台から観光客続々

北日本新聞(2016年2月10日)

 中国の旧正月「春節」前後の大型連休に合わせ、県内にも中国や台湾からの観光客が続々と訪れている。富山空港には9日、連休に入って最初の上海便が到着。団体客は大型バスに乗り換え、県内外へ出発していった。関連業者は「爆買い」商機を逃さないよう、高額商品を用意したり、外国人客に特典を用意するなど知恵を絞る。

 上海便からは2グループの団体客が降り立った。約60人の団体は県内や大阪、東京を8日間で巡る予定で、帰国前日に再び富山に戻り、宇奈月温泉のホテルで宴会を楽しむという。家族連れの姿が目立ち、明るい表情でバスに乗り込んでいった。

 春節は中華圏にとって最も重要な祭日で、企業や役所が1週間程度の休暇に入る。ことしの春節は8日で、帰省ラッシュだけで延べ29億人が移動し、数百万人が海外に出るとされる。

 富山空港国際線エリアの免税売店では、1月下旬から売り上げが伸びた。1、2の両月は昨年末に比べて3~4割上がる見通しで、運営会社の富山空港ターミナルビルは「財布のひもが緩むので、炊飯器などは高価格帯を充実させている」と話す。

 三井アウトレットパーク北陸小矢部(小矢部市西中野)では連日、台湾などからの旅行客が来訪しているという。オペレーションセンターは「毎日1、2台の観光バスが訪れている」とし、14日までのセール期間中、外国人観光客はパスポートを提示すると特典を受けられるようにしている。

 南砺市の世界文化遺産・五箇山合掌造り集落は外国人に人気なだけに、高岡-五箇山-白川郷間を1日5~6往復している「世界遺産バス」の利用は好調だ。運行する加越能バスは「中国系の乗客が増えている」と手応えをつかんでおり、「週末の13、14の両日は時間帯によって乗車定員を超えるかもしれない」と、臨時増車に備える。

 9日もJR新高岡駅の乗り場で、アジア系観光客の姿が多く見られた。香港から来た藍嘉志(らんかし)さん(40)は「楽しみです」と声を弾ませ、宿泊地の五箇山に向かっていった。

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