県登山安全条例に基づく登山計画書(中央下)とウェブサイトなどでの計画書提出を呼び掛けるチラシ

県登山安全条例に基づく登山計画書(中央下)とウェブサイトなどでの計画書提出を呼び掛けるチラシ

長野県 アウトドア・レジャー

遭難防止意識高まるか 登山届義務化スタート

信濃毎日新聞(2016年7月1日)

 年間300件近い県内の山岳遭難事故を減らそうと、県登山安全条例に基づく登山計画書(登山届)の提出義務化が1日、始まった。遭難の可能性が高いとして県が定めた2千メートル級以上の168山岳の入山前に、登山口のポストに入れたり、ファクスやインターネットで申請したりするよう求める。体力や経験に見合った計画かどうかを登山者自身が考え、遭難防止の意識を高められるか。遭難の大半を占める県外からの登山者も含め、条例の趣旨をいかに周知するかが今後の課題になる。

 北アルプス、南ア、中央ア、八ケ岳、御嶽山、戸隠、志賀・苗場、上信国境、奥秩父の計9山域が対象=地図。懐の広い高山が多いことから、住所や連絡先、日程、予定コースを記入する計画書の提出徹底により、万が一の場合の救助の迅速化、効率化が期待されている。自由意思の登山にそぐわない―として罰則は設けていない。

 県内の昨年の山岳遭難者300人のうち9割近くは県外者。県は、首都圏の山岳イベントや登山用品店、山岳雑誌を通じて提出義務化の周知に力を入れ始めている。

 同時に山岳関係者が重視するのが、計画書の作成を通じて、登る山や自身の実力を検討する過程そのものだ。「計画書の意義をどう伝えていくかが大切になる」と県山岳協会理事長の大西浩さん(56)。

 基本的な心構えや知識の足りない人が遭難を起こす例が目立っており、県山岳遭難防止アドバイザーの羽根田治さん(54)=埼玉県=も「形式的な提出にならないよう、山の基本的な技術、知識、体力を認識できる機会をつくっていく必要がある」とする。

 県は6月、同条例に基づき登山の心構えや計画書の作成方法など登山に必要な事項をまとめた「登山を安全に楽しむためのガイドライン(指針)」をつくった。今後、この指針を簡略化し県外の登山者も目に触れられるよう発信する考えで、県山岳高原観光課は「事前に登る山を調べて周到な準備につながる登山スタイルの流れをつくりたい」としている。

<ネット通じて提出可能>

 Q 登山計画書とはどんなものですか。
 A 登山前に県などに提出し家族にも渡して、登山中には携帯する書類です。氏名、性別、年齢、住所、携帯電話番号、緊急連絡先、山岳保険の加入の有無、行動予定や下山予定、避難路や装備などを記します。県のホームページ(HP)やコンビニ店の多機能コピー機で、条例に沿った記入用紙を手に入れることもできます。

 Q なぜ提出が必要なのでしょう。
 A 救助隊が遭難場所などを特定しやすくなり、迅速な救助に役立つからです。作成の際、登る山の特性などを調べ、行程に無理がないかや、装備の不備をチェックすることで、遭難防止につながる面もあります。

 Q 提出方法は。
 A 県山岳高原観光課は、インターネットの電子申請による提出を勧めています。県HPにある「ながの電子申請」や、県と協定を結んでいる日本山岳ガイド協会(東京)が運営するサイト「山と自然ネットワークコンパス」で提出できます。紙で提出する方法は、登山口にある登山届ポスト、同課への郵送、県HPに載っているファクス番号への送信などがあります。

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