新史料を基に佐々成政の実像に迫った「武者の覚え」

新史料を基に佐々成政の実像に迫った「武者の覚え」

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成政の実像に迫る 北日本新聞連載「武者の覚え」刊行

北日本新聞(2016年8月1日)

 北日本新聞社は、越中を代表する戦国武将の実像に迫った「武者の覚え 戦国越中の覇者・佐々成政」を刊行した。富山市郷土博物館の萩原大輔主任学芸員が、昨年4~12月まで31回にわたって本紙文化面に執筆した連載をまとめた。新たな史料に基づき、これまで知られていなかった成政像を示している。

 悲劇的な最期から「悲運の知将」と呼ばれる成政だが、萩原主任学芸員は、豊臣秀吉の書状の中に成政を「武者のおぼえ(武士のかがみ)」とたたえる一文があったことに着目。「現代では想像もつかないほどの名声と知名度を誇っていた」として、波乱に満ちた生涯を信頼性の高い史料を基に捉え直した。成政が越中に入国するまでの活躍や、富山城主としての評価、秀吉の天下統一の中で滅亡する過程を新しい視点で掘り下げた。

 真冬の北アルプスを踏破した「さらさら越え」や、後の残忍なイメージの一因となった「早百合伝説」など、成政を巡る逸話についても独自の見解を繰り広げた。

 書籍化に合わせ、新エピソードも追加。難解な史料には現代語訳を付け、巻末に関連略年表を載せるなど、成政への理解が深まるようにした。

 四六判172ページ。1728円。県内の書店のほか、北日本新聞社の本社・支社、販売店でも取り扱う。

 問い合わせは北日本新聞社出版部、電話076(445)3352。

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