沢さん(左)の指導を受けながら新しい人形の制作を進める参加者たち=飯田市

沢さん(左)の指導を受けながら新しい人形の制作を進める参加者たち=飯田市

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巨大人形劇「さんしょううお」進む人形作り 飯田で17年秋発表へ

信濃毎日新聞(2016年9月29日)

 飯田市のNPO法人いいだ人形劇センターが、巨大人形劇「さんしょううお」の人形制作を本格化させている。2年間かけてつくり上げる人形劇の企画で、昨年秋にスタートし、来年秋の発表が目標だ。今年8月に開いた「いいだ人形劇フェスタ2016」で中間発表し、大勢の注目を集めた。監督でチェコを拠点に活動する人形劇作家の沢則行さん(54)が28日まで、市内で手作り人形の意匠などを指導した。

 27日夜には飯田市高羽町の飯田文化会館工作室に参加者約10人が集まり、人形をデザインし、模型を作った。参加者たちは、どのように人形を動かすか、どんな形にするか、沢さんを中心に頭を悩ませながら話し合った。

 「さんしょううお」は大きなエビや水中生物の人形を操り、音楽や光を巧みに使って演出する人形劇だ。井伏鱒二の小説「山椒魚(さんしょううお)」が基になっている。今夏の人形劇フェスタでは中間発表として約10分間の作品10ステージを同文化会館ホール前広場で披露、延べ約1560人が見入った。

 来年秋に25分間ほどの作品を、かざこし子どもの森公園(飯田市丸山町)で上演することが最終目標だ。中間発表に続く脚本の原案がこのほど完成し、新しく登場するタニシやカニ、カエル、イワナの制作に今月21日から取り組み始めた。まだ完成途中だった人形「さんしょううお」も胴体などを付けて全長10メートルほどの人形にする予定だ。

 脚本を担当する飯田ケーブルテレビ(飯田市)社員の後藤康介さん(34)は「フェスタ前と比べて一度に多くの人が集まるようになった。上演後、面白いと感じた人が多かったのかな」。阿南高校2年の玉置彩(あや)さん(16)は「小学生の頃から人形劇に関わっているけれど、一から人形を作るのは初めて。すごく楽しい」と笑顔だった。

 人形作りは随時進める。いいだ人形劇センターは上演に向けて企画の参加者を募集中だ。沢さんは「面白そうだと思ったら連絡してほしい」と呼び掛けている。参加費は大人のみ毎月2千円。夜間の制作や練習に参加できる中学生以上が対象。問い合わせは同センター(電話050・3583・3594)へ。

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