安曇野市明科東川手の柏尾地区にある大日堂で20日、春の彼岸の伝統行事「風神(かざかみ)祭り」が行われた。地区内外から約60人が集まり、わらで作った「風神様」の人形をお堂裏の崖の上に立て、無病息災を願った。
祭りは、地区で疫病がはやった際、大日堂のお坊さんがわら人形を集めて祝詞を唱えると、次第に疫病が治ったとの言い伝えに基づく。参加者は米を包んだおひねりを付けたわら人形を持ち寄り、全員でお経を唱えた後、厄を移すために息を吹き掛けて崖の上に立てた。おひねりは参加者同士で交換。食べるとその年は健康で過ごせるという。
山間にある柏尾地区の住民は10人ほどで、多くは80〜90代。祭りは地区出身者や近隣住民も協力する。氏子総代の山崎歌清(うたきよ)さん(86)は「今年もいいお祭りができた。多くの人が来てくれるのはうれしく、元気になれます」と話していた。