上田市別所温泉で「上田まほろばユースホステル」を営む斎藤孝さん(75)が22日、ホステルに隣接する建物内に「民話カフェまほろば」をオープンさせる。各地の民話を語り継ぐ有志の会「塩田平民話研究所」の事務局を長年務めた斎藤さんが、民話に親しんでもらいながら住民らが集う場にしたいと、オープンに向け準備を進めている。
カフェでは、同研究所のメンバーとして語り手を務める斎藤さんによる語りを聞けるほか、カフェに並ぶ民話の本を自由に読むことができる。録音した民話の語りをスピーカーで流したり、映像で紹介したりもする。部屋の内側はヒノキ張りで温かみのある雰囲気。コーヒーなどの飲み物や、信州みそを練り込んだ手作りのパウンドケーキも提供する。500円程度のランチを出す予定もある。
秋田県出身の斎藤さんは信州大繊維学部(上田市)に進学。同市菅平高原などでユースホステルに勤めた後、1981(昭和56)年に現在地で同ユースホステルの経営を始めた。
営業開始から5年目に、ホステルに隣接する建物を建築し、2階部分を宿泊者らから提供された本などを置く「まほろば文庫」として開設。斎藤さんによると、近年は周囲に1人暮らしの高齢者が増えており、子どもからお年寄りまで気軽に集えるお茶飲み場を作りたいと、民話の勉強に使っていた1階の部屋を改装。広さ約10畳の部屋に調理場やトイレを設けた。ユースホステルの宿泊客と、住民との交流が生まれることにも期待している。
斎藤さんは「民話には江戸時代の庶民文化や生活の知恵がたくさん詰まっており、学ぶべきことが多くある。カフェで、ゆったりと過ごしてほしい」と話している。
カフェは午前9時〜午後5時、火曜定休。オープンの22日は午後1時に開店する。問い合わせは斎藤さん(電話080・5141・3198)へ。