富山県

暑さ忘れる氷点下の酒 県内飲食店で好評

北日本新聞(2017年8月16日)

 8月後半に入ったとはいえ、まだまだ30度超の気温が見込まれる中、県内の飲食店で「氷点下」をうたった酒が話題を集めている。零下20度のジョッキに注ぐ生ビールやシャーベット状の日本酒などがあり、爽快な飲み口に加え、見た目の涼しさも演出する。冷やすと苦みが和らいで飲みやすくなることも人気の一因のようだ。

 黒部市田家新のラーメン店「くろべぇ」では、零下20度に冷やしたジョッキに注ぐ生ビールが男性客を中心に好評だ。通常の瓶ビールもあるが、夏場は圧倒的にジョッキの生ビールがよく出るという。常連の会社員、岡島重成さん(41)=魚津市西尾崎=は「ここまでキンキンに冷えていると爽快感が半端なく、仕事帰りの一杯はこたえられない」と至福の笑みを浮かべる。

 シャーベット状の「みぞれ酒」を提供するのは、高岡市大野の和食料理店「海鮮問屋 柿の匠」。器と大吟醸の日本酒を零下12度に冷やし、スタッフが注いだ瞬間、シャリシャリになる。器の中で雪が舞っているようにも見える。渡辺邦雄店長(46)は「インパクトがあり、注文した人は決まってスマートフォンで撮影している」と話す。

 ビアガーデンにも涼感を打ち出した新メニューが登場した。富山市大手町のANAクラウンプラザホテル富山では、金属製のグラスで提供する零下2度の「フリージングハイボール」が若者の関心を集める。金属特有の質感が冷たさを強調し、物珍しさもあって客のほとんどがオーダーするという。

 一般に酒類には飲み頃の温度がある。ビールは5度前後が麦のうま味やホップの苦みを感じる適温とされるが、独特の苦みに抵抗を感じる人もいる。人気グルメなどに造詣が深い文教大健康栄養学部の笠岡誠一教授は「より冷やすことで苦さが軽減し、飲みやすく感じる人が多いのも、人気の背景にあるのではないか」と推測する。

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