持ち込まれたマツタケを量る浅井さん。昨年ならはかりに収まりきらないほどだったが…=11日、豊丘村

持ち込まれたマツタケを量る浅井さん。昨年ならはかりに収まりきらないほどだったが…=11日、豊丘村

長野県 グルメ

マツタケ、採れない... 全県的に不作、価格は高騰

信濃毎日新聞(2017年10月13日)

 マツタケが全県的に不作だ。ここ数年は比較的豊作の傾向だったが、今季は例年であれば最盛期を迎えているにもかかわらず入荷量が増えず、価格は高騰。地物を扱う各産地の販売業者や観光業者は受注分の確保に頭を悩ませ、販売や料理の予約を断る店や、臨時休業に入る店も相次ぐ。県林業総合センター(塩尻市)によると、少雨と天候不順がマツタケの生育に影響しているとみられる。

 例年、10月10日前後に収穫のピークを迎える飯田下伊那地方。下伊那郡豊丘村の浅井商店は9月末ごろから注文を断り、店頭販売も行っていない。昨年は多い日で100キロほど入荷したが、今年は30キロ前後。代表の浅井一昭さん(48)は「8月に雨があったから今年も期待していたが...」と肩を落とす。

 林野庁や県によると、県内産マツタケの昨年の生産量は42・5トンで国産の60%以上を占めた。だが今季は大幅減が避けられそうにない。

 菌糸の成長には適度な水分が必要だが、県内の各産地では9月の降水量が極端に少なく、上田市や松本市では平年の半分以下。「山へ入った人からは『山が乾燥している』と聞く」(県信州の木活用課)といい、県林業総合センター特産部の古川仁・主任研究員は「9月は気温の上下変動も激しく、生育に影響しているのではないか」とみる。

 上田小県地方も状況は厳しい。長野県連合青果(上田市)の永井一嘉常務(59)は「昨年は多い日で150キロほど入った。今年は多くて10キロが1日あったかないか」。入荷が多い時期の卸値は1キロ当たり2、3万円に落ちるが、今シーズンは「5万円を下ったことはないはず。特に上物は例がないほど高い」。

 諏訪市の青果物卸・販売「八百新」は「注文された分の確保も難しい。入荷は昨年の1割ぐらい」。松本市の温泉保養施設「松茸(まつたけ)山荘」は「山を4時間回っても8グラムばかりしか採れない。笑い話だ」とぼやく。提供するマツタケ料理の品数を減らして対応しているが、それでも用意が難しいといい、運営する第三セクターの金井保志社長(71)は「昨年と比べ、体感では百分の一、二百分の一のレベル」だと言う。

 一方、伊那市の農産物直売所「グリーンファーム」は10日に生のマツタケの店頭販売を中止してから、昨年の冷凍マツタケの売り上げが増加している。冷凍物は焼き物には適さないが土瓶蒸しや茶わん蒸しには使え、味や香りはほぼ落ちないという。

長野県 ニュース