昆虫食を紹介する企画展のチラシを手にする捧館長

昆虫食を紹介する企画展のチラシを手にする捧館長

長野県 伊那路 祭り・催し

昆虫食の文化、見つめ直して 伊那市創造館で紹介へ

信濃毎日新聞(2017年11月28日)

 伊那市創造館が12月2日から、伊那谷と関わりの深い昆虫食を紹介する企画展「大昆蟲食(こんちゅうしょく)博」を開く。「昆虫食を文化として改めて見つめ直してほしい」と同館館長の捧(ささげ)剛太さん(58)が企画。特になじみ深いざざ虫、蜂の子、イナゴ、蚕について、食文化の成り立ちなどをパネルや標本、写真で紹介する。

 捧さんは、企画展に向けて国内の研究者らを取材。伊那谷で食卓に上る虫は「食べられるようになった背景など文化の成り立ちが違うところが興味深い」と話す。川石の裏にいるトビゲラ、カワゲラなどのざざ虫は、地域の人たちが手作りの道具を使って漁をし、加工した商品が広く販売されてきたのが特徴という。蜂の子を巡っては、地蜂に目印を付けて巣を探す「すがれ追い」の伝統も残る。

 捧さんが特に興味を引かれたのは、蚕を巡る文化だ。食の面だけでなく、製糸業が盛んだった時代に、さなぎを搾った油が使われたといい、「無駄にするものの少ない、大規模な『循環産業』のような存在だった」と例える。

 宇宙航空研究開発機構(JAXA)名誉教授の山下雅道さん=東京=の元へも出向き、火星に移住することを見据えた宇宙開発で、必要なタンパク源として蚕を育てて食べる研究が進んでいることも聞いた。捧さんは「昆虫食は昔から続いているだけでなく、未来に向けた文化でもあることを知ってほしい」と話す。

 企画展は来年5月7日までの午前10時〜午後5時(火曜と3月22日は休館)。入場無料。問い合わせは伊那市創造館(電話0265・72・6220)へ。

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