江戸時代から昭和初期にかけて盛んに作られた「引札」と呼ばれるチラシを集めた企画展が、新潟市西蒲区の巻郷土資料館で開かれている。正月向けに商店などが作った約60点を展示。1年の幸せを願い、福の神や着物姿の女性や子どもなどを鮮やかに描いたチラシが並んでいる。
区内の愛好家から借り受けて展示した。引札は木版や石版で刷って商店などが得意先に配ったり、店頭に張ったりしていたという。
展示している正月向けの引札は、新年の幸せを願った縁起物が描かれ、福の神が巨大なタイを釣り上げたり、えとの動物にまたがったりする姿や、宝船や鏡餅、伊勢エビをあしらった札など。細かい線で描き、鮮やかな色を使っているのが分かる。
戦国武将の絵柄や1年間のこよみ、「最新流行御履物」「薄利多売」といった宣伝文句が書かれた札もある。西蒲区の自営業中村秀子さん(65)は「どれもすばらしい。こんなにたくさんあってすごい」と感心していた。
31日まで。13、19、26日休館。問い合わせは資料館、0256(72)6757。