大正から昭和初期にかけてと現在の黒部峡谷をとらえた写真について解説する志水さん(中央)

大正から昭和初期にかけてと現在の黒部峡谷をとらえた写真について解説する志水さん(中央)

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黒部峡谷変遷を写真で紹介 冠松次郎展始まる

北日本新聞(2015年4月22日)

 北陸新幹線開業記念特別展「黒部今昔 冠松次郎と、現在の黒部」が22日、黒部市の宇奈月国際会館セレネ美術館で開幕する。黒部峡谷を探訪した登山家・冠松次郎(1883~1970年)が十字峡を発見してから今年で90年。冠が歩いた当時から現在まで、峡谷の変遷を写真で紹介する。21日にはセレネで内覧会があり、地元住民らが峡谷美を再認識した。7月20日まで。北日本新聞社後援。

 冠は東京生まれ。優れた山岳紀行文を残したことでも知られる。黒部峡谷をくまなく歩き、全貌を明らかにしたとされ、「黒部の父」と呼ばれている。黒部川本流に二つの支流が合流する十字峡は、冠が1925年に発見、命名した。

 特別展では、大正から昭和初期にかけた冠の作品と、横浜市から黒部市宇奈月町に移住した登山家で写真家の志水哲也さん(49)が写した作品合わせて約100点を展示。それぞれを見比べてもらうとともに、冠の偉業や黒部峡谷の魅力をアピールする。

 内覧会では、東京都写真美術館の関次和子学芸員と志水さんが、十字峡や剱沢大滝などを写した作品について解説。志水さんは「昔はカラー写真がなく、私の写真は冠さんが見た色を補足した意味もある。冠さんの写真の奥深さを感じてほしい」と話した。

 5月31日にはセレネで、関次さんと志水さん、冠の孫でモーターサイクルジャーナリストの富樫ヨーコさんがパネリストを務めるトークショーを開く。問い合わせはセレネ、電話0765(62)2000。

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